この記事では、法学部の論述問題に関する解釈の基準のあてはめ方を簡単な例を用いて解説します。
また、結論の持っていき方も一緒に解説します。
解釈に番号を振っておく
例えば、「学校」という文言に対して、
判例が、「勉強をするところであり、他者とコミュニケーションを図るところである」と解釈していたとします。
そうしたら、解答用紙に解釈の基準を書くときに、
判例によると、学校とは①勉強をするところであり②他者とコミュニケーションを図るところである、とされている。
のように、番号を振っておくことをおすすめします。
順序良く当てはめ
では、先ほど番号を振った順に当てはめていきましょう。
書き方としては、
この事例に解釈の基準を当てはめていく。A校は、①生徒たちに勉強をさせていたが、②生徒同士の会話を一切許していなかった。コミュニケーションというのは、「ことば」を伝え、それを相手が理解することで行われると考えられるのでA校はコミュニケーションを図れる環境になかったといえる。よって、①の要件は満たすが②は満たしていない。
のように、番号を振った順にひとつひとつ当てはめていきましょう。
また、当てはめは、その人のオリジナリティーが十分に発揮できます。
別の当てはめの例を書いてみます。
この事例に解釈の基準を当てはめていく。A校は、①生徒たちに勉強をさせており、②生徒同士の会話を一切許していなかったが、教師との会話は禁止されていたわけではない。また、コミュニケーションというのは表情や身振り手振りでも図ることができ、必ずしも言葉だけで行われるものではないと考えられる。よって、A校にはコミュニケーションを図る環境があったと考えられ、①、②のどちらの要件も満たしている。
このような当てはめも可能となるわけです。
当てはめと結論にひとつの正解はないので、みなさんの頭でしっかり考えて論理的に導いていってください。
結論
上の当てはめの場合、
①は満たしているが②を満たしていないのでA校は「学校」とはいえず、〇条〇項より~~~
のように書けるし、
下の当てはめの場合は、
①も②も満たしているのでA校は「学校」であり、〇条〇項より~~~
というように結論づけます。
最後に
今回は、法学部の論述問題の当てはめから結論までの流れを解説しましたが、
まず、判例や教科書の解釈の基準をしっかりと覚えておくことです。
その後、番号を振った順に、丁寧にひとつひとつ自分の頭で考えながら当てはめをやっていきましょう。自分しか書けない答案ができあがるはずです。
結論がどちらであろうとも、それまでの文章から論理的に導かれているならば、点数はもらえると思います。
何度も言うようですが、法学部の論述問題はひとつの正解がない問題が多いので、ぜひこの機会に自分なりの正解を導き出す力を養ってください。
以上、ありがとうございました。