この記事では、今から企業の研修担当になる方や研修担当になったはいいものの何から始めてよいのかわからないといった方向けに
・研修スケジュールの組み方
・研修内容の選び方・詳細
について記載しております。
私自身、企業の研修担当として勤めておりましたので、皆様のお役に立てればなと思い、この記事を書いています。
研修担当とは
ここでの研修担当とは、社内において新卒・中途採用の社員向けに研修を行う講師の役割と定義します。
よって、中堅社員・管理職へのリーダー研修を行う方とは別の役割と思ってください。
新人社員向けの研修スケジュールを考案・調整したり、実際に講義を行い理解の定着を促す仕事です。
必要なスキルとしては、調整力や人前で堂々と話す力などが大事ですが、経験を積むにつれて身についてくるものなので安心してください。
では、実際に「研修スケジュールの組み方」について解説していきます。
研修スケジュールの組み方
新人研修のスケジュール日数としては、大体2週間ほどが目安かと思います。その中で、ビジネスマナーやPC、仕事内容の確認、自社の商品などの教養知識の習得が必要です。
職種によっては、座学の後に1年間丸々新人研修という扱いでOJTを行う職種もあります。建設業の施工管理などはそのケースに当てはまると思います。(OJTとは実際の業務を行いながら先輩社員に指導・アドバイスをもらい、知識やスキルを身に着ける研修制度です。On the Job Trainingの略で現場訓練の意味。)
実際のスケジュール感としては、
・1~2日目 入社手続き、会社案内、自己紹介、就業規則の確認、実力確認テストの実施
・3~5日目 ビジネスマナー、PC、自社商品知識などの勉強、仕事内容の確認
・6~7日目 グループワーク実施、専門知識の習得、研修担当からのFB
・8~10日目 FBをもとに各職種における業務の実演、2週間の振り返り
このような形で研修スケジュールを組んでいくと、流れに沿って知識を習得していくことが可能かと思われます。途中、土日などの休みを挟むことで研修生のリフレッシュ期間を作ることも大切です。
次に、「研修内容の選び方」について解説していきます。
研修内容の選び方・詳細
1~2日目
研修スケジュールをもとに、研修内容の詳細を決めていくことになりますが、自社の手続きや案内、就業規則などの確認はパンフレットなどを活用し、進めていくことになると思います。
自己紹介は意外と重要で研修生同士だけでなく、研修担当が研修生1人1人を知るためにも必要です。よって、名前・出身・学校で学んだこと・前職・趣味・特技は紹介させたほうがよいでしょう。その後、質問タイムを設けるのも忘れないでください。
また、実力確認テストを行わせるのも大切です。自社で作成したものでよいので基礎学力を問う問題を20問ほど作成してください。漢字や簡単な計算問題で十分です。研修生の学力を把握しておくのも大事です。
3~5日目
ビジネスマナーに関しては、名刺交換・電話応対・メールの作成から送付の仕方をベースに研修していけばよいと思います。
PC研修では、Excel(表の作り方・関数の使い方)、Word(案内文の作成)をベースに研修を行いましょう。自社のツールがあるならばそちらの学習も含める必要があります。
自社商品知識などの勉強においては、説明だけでは理解の定着が確認できないため、ノートに書かせる+確認テストの実施を行いましょう。
仕事内容の確認では、研修担当の方はスライドだけでなく実際に働かれている様子を動画視聴させることが効果的かと思います。
6~7日目
グループワーク実施も重要です。1方向ではなく双方向の内容を組み込むことで、研修生の発言の機会が増えます。グループワークの形式はゲーム形式や実際の職務に則った問題解決型があります。ゲーム形式でもよいのですが遊び感覚で終わってしまうので、ゲームと問題解決の2部構成で構築するほうがよいかと思います。
専門知識の習得では、その業界の専門知識を学んでいく場とします。よって、資格の勉強をベースとして研修内容を構築してください。
7日目の最後に研修担当からのFBを一人一人に行いましょう。良い点悪い点を詳細に伝える必要があります。参考材料として、毎日の終わりにレポートを提出させることがおすすめです。レポートと研修担当自身で付けた評価表とを照らし合わせてFBを行いましょう。
8~10日目
最後の3日間は、FBをもとに各職種における業務の実演を行いましょう。実際に業務を仮でもよいので行ってみて(営業であれば電話掛けなど)、現場で働く意識をつけさせるのが効果的だと思います。
最終日に研修2週間の報告書を作成させて終了という形になります。報告書作成というのは、意外に新卒の方などは行ったことがないので、良い練習にもなるでしょう。
まとめ
このように、研修スケジュールと研修内容の詳細について解説していきましたが、研修担当なりたての方やこれからなるという方の助けになれば幸いです。
研修は企業人材の入り口として非常に重要な役割です。よって、意識を高く持ち、研修担当として新人を導いていきましょう!
以上、ありがとうございました。